低体温下の脳虚血モデルを作成し、常温下の脳虚血モデルと脳虚巣の範囲を比較検討する実験を行ってきた。昨年は麻酔薬による脳保護効果の影響を検討するための基礎実験をPropofolを用いて行った。その結果、Propofolは虚血による脳障害の発生を遅延させることはできるが、防止する効果は認められなかった。 今回はさらに他の因子による影響を検索するために、脳虚血モデルに頚静脈の結紮を行った群(V群)を6頭作成し、脳虚血に静脈還流障害が加わった時の脳虚血巣の範囲を通常の脳虚血群(C群)と比較検討した。 (結果)虚血後1日目の剖検において平均脳梗塞巣(C群47%、V群54%)であり有意差は認めなかったが、V群で梗塞巣が広い傾向を示した。(P>0.05) (考察)今後さらに14日目の梗塞巣の広がりについて検討する必要があり、又1日目の梗塞巣についてもnを増加することで有意差が出現すると考えられる。 以上の結果に今後、虚血に対する低体温の保護効果の実験を追加する。
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