研究概要 |
我々の研究の目的は、脳腫瘍での血管新生を抑制することによって、脳腫瘍の増殖を抑制し、脳腫瘍の新たな治療法を確立することである。血管新生の抑制には、血管新生抑制因子であるアンジオスタチンの遺伝子導入法を用いる。 この際に、脳腫瘍細胞でいかなる血管新生因子が発現されているかを明らかにすることが、研究の基礎として必要である。そこで我々はまず、新たに同定されたチロシンキナーゼ受容体であるTie2とそのリガンドである血管新生因子angiopoietin 1(Ang1),angiopoietin 2(Ang2)の脳腫瘍細胞での発現を検討した。その結果、mRNAレベルでは、Ang1は、悪性度の高いグリオーマ細胞や血管の豊富な髄膜腫に、また、Ang2は血管の豊富な髄膜腫や血管芽細胞腫に強く発現していた。さらに、これら血管新生因子の受容体であるTie2はAng2と同様に血管の抱負な髄膜腫や血管芽細胞腫に強く発現していることが明らかになった。これら遺伝子レベルでの結果を参考に現在タンパクレベルでの検討を行っているところである。
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