1) EWS/Fli-1、PAX3/FKHRのアンチセンスオリゴDNAのユーイング肉腫細胞、横紋筋肉腫細胞に対する抗腫瘍効果の検討 各キメラ遺伝子のmRNAに特異的に結合させるため、アンチセンスオリゴをキメラ遺伝子のfusion pointを含むように作成しHPLCにて精製した。 オリゴDNAを最終濃度5-50μMの範囲でリボゾームと共にEWS/Fli1を発現するユーイング肉腫細胞あるいはPAX3/FKHRを発現する横紋筋肉腫細胞に細胞に投与し、細胞増殖抑制能を検討したところ、30-60%の増殖抑制率が得られた。 2) リボザイムのユーイング肉腫、横紋筋肉腫細胞に対する抗腫瘍効果の検討 各キメラ遺伝子のfusion point近傍を切断するリボザイムを作成し、RNA切断活性、細胞増殖抑制効果を検討した。 a) ハンマーヘッド型のリボザイムを合成し、キメラ遺伝子発現ブラスミドよりin vitroで合成したmRNAの切断能を検討したところ、理論通り、効率よく切断可能であった。 b) リボザイムをユーイング肉腫、横紋筋肉腫細胞にトランスフェクションし、細胞増殖抑制効果を検討したところ60-80%の抑制率が得られ、アンチセンスの抑制率を上回った。 c) ヌードマウスにユーイング肉腫細胞を移植し、腫瘍形成後にアンチセンスとリボザイムを局所投与し抗腫瘍効果を検討したところ、コントロールに比較し、腫瘍増大速度を抑制する結果を得た。現在さらに実験回数を重ね、検討中である。
|