人工股関節の関節可動面から生じるWear Debrisについての研究を行った。実際に使用されてい材質(チタン合金、コバルトクロム合金、ステンレス、UHMWPE、アルミナセラミック)を用いて家兎大腿骨に埋め込み、骨組織との反応を見た。各粒子のサイズ(submicron〜100 micron)および種類の比較では、材質の違いがもっとも影響した。 これら粒子を家兎抹消血より単離培養した単球系細胞とともに、家兎大腿骨骨髄内の近位と遠位にスクリューで密栓した後に圧力を加えて埋入したが、骨のremodelingに従い、圧力の低下を認め、一定の圧を保つことが困難であった。瞬間的に強い圧を加える方法を現在施行中である。現在データ解析中であるが、骨に対する各粒子の反応はさまざまで、種類の違いによる差が大きい傾向にあった。 人工膝関節の表面解析とWearの解析では、ガンマ線滅菌を受けた薄いポリエチレンの破壊が強く、表面酸化の問題を解決することが、今後の生体用ポリエチレンの開発に不可欠である。 ヒアルロン酸をlubrication mateialとして用いた金属対ポリエチレンの磨耗解析では、磨耗試験開始直後は良好な界面保護効果が見られ、摩擦係数も低かったが、時間とともに保護効果は低下し、摩擦係数も高値を示した。現在他の粘調度の他界物質で検索中である。 UHMWPEに 2.5 Mradから10 Mradまでのガンマ線を照射し、これを溶かして固めた(FreeRadicalsを減弱させた)ポリエチレンにて来年度は研究を継続する予定である。
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