研究概要 |
アテトーゼ型脳性麻痺患者6人に、欠状面,前額面での頚部の運動のVHSビデオ記録を行った.同時に,上腕二頭筋をコントロールとして,頚部筋(胸鎖乳突筋,僧帽筋)からの表面電極記録を行った.さらに,頚の等尺性収縮を圧力センサーを用いて計測した.術前に胸鎖乳突筋,僧帽筋から、不随意発火を認めた。 リドカインによる神経ブロックを僧帽筋と胸鎖乳突筋の支配神経である副神経に各々行った。ブロック後10分から30分において、不随意運動はブロック前の20-60%となったが、頚の等尺性収縮は、ブロック前の60-90%であった。 筋の不随意運動そのものを減少させる目的で頚部不随意運動筋群(胸鎖乳突筋,僧帽筋、頭板状筋、頭半棘筋)を一塊として後〜側頭骨から骨膜下で解離した.術後1ヶ月は、随意運動と不随意運動がともに減少したが、術後1ヶ月以降は、随意運動が可能になってきた.現在、経過観察中である。 神経ブロックと筋解離術の結果からして、運動の入力のバランスが脊髄前角細胞において,随意運動優位となったのではないかと推側している.
|