家兎大腿直筋再灌流モデルを作成し、虚血時間を3.5時間に設定し、再灌流時間を6時間、12時間、24時間、72時間、96時間に設定し再灌流後の大腿直筋に与える影響を組織学的に検討した。再灌流傷害により筋肉細胞は変性、壊死をびまん性に認めた。その後時間の経過とともに筋肉細胞の再生、線維細胞の増殖をみとめ傷害は軽減した。再灌流後早期には好中球を主体とする炎症性細胞の浸潤を認めた。また筋肉、筋間組織には著しい浮腫を認めた。筋肉の浮腫及び好中球の浸潤は24時間が最大であった。その後は、浮腫の改善がみられた。浸潤細胞は再灌流時間の経過とともに好中球から単核細胞へと変化していた。再灌流後24時間では好中球浸潤が増加しているが、以前より我々は好中球の遊走および活性化因子であるインターロイキン8が再灌流後の組織への好中球浸潤に重要な役割を担っていると考えており、今回の再灌流モデルにおいて抗IL-8中和抗体を投与し、筋肉組織に与える影響を検討した。組織学的判断であるが、抗IL-8中和抗体を虚血後再灌流前に10mg投与した群では再灌流後24時間における筋肉及び間質への好中球浸潤は、減少している傾向を認めた。
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