敗血症は、心臓、肝臓、腎臓、中枢神経系などの臓器障害を起こす。敗血症による心筋、中枢神経障害障害の分子生物学的原因は、ほとんど解明されていない。今回は、心筋のreceptorの減少がRat体内でいかなる作用を引き起こし、細胞内伝達系システムに影響を及ぼしているか、またいかなるメカニズムで心筋のreceptorの減少が引き起こされるのか分子生物学的に解明に努めた。CLP model ratを用い、2時間後に心筋を取り出す。心筋を遠心分離して、cytosolとmemb raneに分離した。心筋のbeta-adrenergic receptorを制御する重要なタンパク質として、近年beta-adrenergic receptor kinaseが発見された。われわれは、このタンパク質に注目し、敗血症においては、このタンパク質がcytosolからmembraneへのtranslocationが増強されている可能性があるかもしれないと考え、Western blot法を用いて、beta-adrenergic receptor kinaseの定量を行い、またbeta-adrenergic receptor kinaseの活性も(γ-^<32>P)ATPの憐酸化を利用して測定を開始した。Western blot法を用いて、beta-adrenergic receptor kinaseの定量を行い、またbeta-adrenergic receptor kinaseの活性も(γ-^<32>P)ATPの憐酸化を利用して測定を開始した。すると、敗血症2時間後では、beta-adrenergic receptor kinasの量の増加とactivityの変化が発見された。このような細胞内伝達システムの変化が心筋障害を誘発するものと考えられる。
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