研究概要 |
一過性虚血後の臓器血流変化は,血管内皮由来の一酸化窒素による血管拡張が関与すると考えられている。加えて,高血圧,高脂血症,喫煙などの動脈硬化危険因子を有する患者では,血管内皮機能の低下が認められている。本研究では,反応性充血後における,上腕動脈の血流および血管径の変化を内皮機能の指標として検討する。反応性充血の状態は,上腕部で300mmHg,5分間の駆血を行った後に,駆血を解除して作成した。上腕動脈の血管径を,表在性血管用の7.5MHzリニア探触子により90秒間にわたり測定した。健常人においては,平均3.9mmの上腕動脈血管が,反応性充血時には,平均6.2%(0.24mm)増加した。血管径の変化は,60秒以降に最大となった。引き続き,高血圧,高脂血症,喫煙などの動脈硬化危険因子を有する患者における反応とそれらの麻酔薬による修飾について比較検討を行なっていく。
|