ラットにおけるMPTP投与後の効果とドーパミンレセプターの関与について検討した。 【方法】 SD系雌性ラットを用いた。全身麻酔下に膀胱頂部より膀胱内圧用のカテーテルを、頚静脈に薬剤投与用のカテーテルを留置した。その3日もしくは4日後に覚醒下で膀胱内圧測定を行った。溶媒(生食)及びMPTP(0.3mg-3mg/kg)を静注し、排尿間隔、排尿量、及び排尿圧を測定した。さらにドーパミンD2 receptorの関与を検討するためにD2 receptor antagonistであるremoxipride 1mg/kgを前投与後、MPTP 3mg/kgを静注しその影響について検討した。解析は各々のパラメーターの投与前値からの変化率を求め検討した。 【結果】 MPTP 1mg/kg投与は有意に(p<0.05)排尿間隔、一回排尿量を減少させ、排尿圧を増加させた。3mg/kg投与でこれらの効果はさらに増強した。remoxiprideを前投与した場合、排尿間隔と排尿量においてMPTP(3mg/kg)の効果が抑制された(p<0.05)。 【結論】 ラットにおいてMPTPの投与は、急性効果として膀胱過活動を誘発しうることが示された。この膀胱過活動に対してドーパミンD2 receptorが関与することが示唆された。 今後はドーパミンD1 receptorについて検討していく予定である。
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