研究概要 |
平成10年度は膀胱内圧測定装置の組み立てとラットにおける膀胱内圧,コンプライアンスの測定,クモ膜下腔内薬物注入の可能性につき検討した. ラットにウレタン麻酔(1.2g/kg)を行い尿道に細カテーテルを挿入,持続注入ポンプで生理的食塩水を注入した.その注入圧を圧トランスジューサーで測定,データレコーダーで記録,解析した.生理的食塩水の膀胱内注入速度を5ml/h,10ml/hと変えた場合,膀胱容量,コンプライアンス(膀胱容量/膀胱内圧変化)はそれぞれ0.63ml,0.048ml/cmH2O,0.67ml,0.024ml/cmH2Oであった.注入速度によりコンプライアンスの差が大きいため以後の実験では速度を5ml/hと決めた.ラットの第5腰椎,第6腰椎間より色素を脊髄髄腔内に注入し,腰・仙髄腔に広がることを確認した.1%リドカイン溶液0.1mlを髄腔内に注入した後,注入速度5ml/hで膀胱内圧測定したところ膀胱容量は1.23ml,コンプライアンスは0.086ml/cmH2Oと増加し,髄腔内注入の効果を確認できた.
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