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1999 年度 実績報告書

下部脊髄障害による低コンプライアンス膀胱-動物モデルの作成,各種増殖因子の関与及び薬理生理学的検討-

研究課題

研究課題/領域番号 10770807
研究機関自治医科大学

研究代表者

西澤 秀治  自治医科大学, 医学部, 助手 (60262713)

キーワード低コンプライアンス膀胱 / 脊髄障害 / 動物モデル(ラット) / 電気刺激療法
研究概要

ウィスター系メスラット(200g)エーテル麻酔をかけて第5,第6腰椎間より7%フェノール水溶液を脊髄腔内に0.5ml注入した.注入直後にはすべてのラットで後脚の麻痺が見られた.注入翌日には2割のラットに注入直後と同様の麻痺が残ったが,他は片側に軽度の麻痺を残すのみとなった.明らかな対麻痺が持続したラットでは尿閉よると考えられる過拡張膀胱が認められた.尿道より細いカテーテルを挿入し5ml/minの注入速度で膀胱内圧測定を行った.コントロールの膀胱コンプライアンス0.163+/-0.053ml/cmH2O,1週後のコンプライアンスは0.576+/-0.63ml/cmH2O,2週後は0.067+/-0.071ml/cmH2Oであり,フェノール注入後1週では尿閉による一時的な膀胱拡張が見られたがその低コンプライアンス膀胱が進行する傾向が見られた.低周波治療器で4Hz,5分間の後脚電気刺激を行った後に膀胱内圧を再検した.明らかなコンプライアンスの改善は見られなかったが一部のラットで膀胱容量の増大と排尿筋収縮の抑制が見られ,過活動性膀胱のあったラットでは収縮頻度の改善が見られた.膀胱壁の組織学的検討では,過拡張膀胱で平滑筋束の断裂が見られた.明らかな膠原繊維の増加は認めなかった.
以上の結果から,ラットの脊髄腔内にフェノール水溶液を注入するという比較的簡単な方法で下部脊髄障害を発生でき低コンプライアンス膀胱のモデルを作成できる可能性が示された.過活動性膀胱に対する電気刺激療法の可能性も考えられた.

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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