研究概要 |
前立腺癌細胞がある種のサイトカインにより細胞増殖を刺激されることが知られていおり、また診断時に転移を有している症例があり、転移の好発部位として骨転移が多い。今回、サイトカインが前立腺癌細胞の浸潤や転移に関与している可能性を検討する。まず、前立腺癌細胞の増殖に及ぼす各種サイトカインの影響を検討するため、無血清培地を用いて、前立腺癌細胞をサイトカイン存在下に培養し、その増殖活性を蛍光光度計あるいは吸光光度計を用いて測定した。PC3細胞を各濃度のIL-6(0.8ng/ml,4ng/ml,20ng/ml)により刺激したときそれぞれの増殖刺激活性は10.6%、12.6%、29.2%であり、増殖が刺激された。次に、biocoat matrigel invasion assayを行った。0.1%BSAを含んだ無血清培地を用いてupper chanberには細胞浮遊液をlower chanberにはIL-6を含んだ培地を入れ経時的に浸潤細胞数を計測した。JCA1細胞において経時的に3時間から24時間までの間で浸潤細胞数の増加がみられたが、今回の予備実験においてはIL-6存在下において3時間では有意な浸潤細胞数の増加が認められなかった。培養時間やサイトカイン濃度あるいは播種細胞数などの問題点が考えられた。また、各濃度のIL-8(10^<-5>、10^<-4>、10^<-3>、10^<-2>、10^<-1> μg/ml)存在下におけるDU145細胞の増殖活性を検討してみると、DU145細胞数はコントロールと比べて96%、93&、84.6%、93%、98%でありほとんど細胞数に変化は見られず,JCA1,PC3,LNCap細胞においてもあまり変化は見られなかった。
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