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1998 年度 実績報告書

着床期の子宮内膜上皮に発現するインヒビトリーレセプターgp49B1の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10770826
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

中尾 幸恵  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50301156)

キーワードgp49B1 / ITIM / 着床 / NK cell / 妊娠維持
研究概要

gp49B1は分子内にITIMを有する抑制性レセプターの1つとして、NK cell,mast cellに存在することが報告されている。本分子のmRNAが着床期の子宮内膜上皮に発現していることから、本分子がblastocystの受容に関与している可能性を調べた。子宮内膜上皮cell line WEG-1にgp49B1を強制発現させ、blastocystの着床率を比較する実験系を組んだが、WEG-1への遺伝子導入率が悪くgp49B1の高発現株が得られなかったので、着床率はcontrolと比較して有意な差がなかった。
そこで、着床期に限定せずgp49B1 mRNAの発現を調べた結果、胎盤形成の始まるマウス妊娠8日目以降の子宮に、着床期よりも強く発現していた。in situハイブリダイゼーションで発現部位を調べた結果、間膜腺に点状に発現していた。妊娠中期の間膜腺にはNK cellが多数存在し、血管新生、構築に関連し、妊娠維持に重要であるとの報告もある。しかし、NK cellは本来異物を攻撃する細胞であり、胎盤trophoblastを障害する可能性もある。そこで、抑制性レセプターのgp49B1がtrophoblastのligandを認識し、攻撃を回避している可能性を考えた。方法としては、間膜腺よりリンパ球を分離し、anti-gp49およびNK cellのマーカーであるNK1.1の抗体と2重染色しFACS解析した。その結果double positiveの細胞はほとんど検出されないことから、gp49B1が子宮NK cellの障害性を抑制している可能性は考えにくいことがわかった。
現在、gp49+の細胞の素性について調べている。リンパ系の細胞が欠損しているIL-2Rγ,Rag-1のdouble KOマウスの子宮にはNK1.1+の細胞は欠失していたが、gp49+は存在していることを確認した。このdouble KOマウスはNK cellが欠如しているにもかかわらず正常に妊娠する。今後、gp49+の細胞が妊娠維持にどのように関与しているか検討する予定である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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