1. ヒト黄体化顆粒膜細胞の培養 体外受精時に得られた卵胞液から卵を摘出後、日本産婦人科学会倫理規定に従い患者の同意を得て、顆粒膜細胞を分離した。洗浄後培養液(M-199)にてヒト顆粒膜細胞浮遊液を作成し、バーコール液を用いて赤血球を除去した。再び洗浄後、細胞濃度を2.0×10^5mlに調整して、10%FCSを含む培養液にて5%CO2インキュベーター内に無菌的に培養した.培養後4〜5日後に投与実験を行った。 2. hCG投与による培養液中のプロゲステロン産出量の測定 体外受精前にhCGを投与されており、hCG非投与群でも顆粒膜細胞が黄体化していると考えられ、プロゲステロン分泌が認められた。一方hCGを50、500mIU/ml投与した群では、添加後1〜2時間後に、非投与群に比べて約2〜3倍の分泌量となり、有意に分泌が促進された。また同時にエストロゲン分泌量を測定したが、少量のみで、hCG投与による有意な上昇も認められなかった。 現在までに、ヒト黄体化顆粒膜細胞の培養法が確立し、経時的なプロゲステロン分泌が明らかになったため、今後lGF-1、EGF、TGFβ、IL-1β、TNEα、IFNγ、IL-2などのサイトカインを投与し、プロゲステロン分泌の変化とアポトーシスの出現との関連を検討していく予定である。アポトーシスに関してはin situ DNA3^1 -endlabelling法で観察し確認後、関連遺伝子の発現を検索する予定である。
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