1.下鼻甲介切除術により採取された鼻粘膜および鼻茸摘出術により採取された鼻茸組織よりRNAを抽出し、RT-PCR法にてヒト鼻粘膜および鼻茸組織に存在するグルココルチコイド受容体mRNAの発現を確認した。 2.グルココルチコイド受容体に対するポリクロナール抗体を用いた免疫染色にて鼻粘膜のグルココルチコイド受容体のタンパクレベルでの局在を明らかにした。グルココルチコイド受容体は、ほとんどすべての細胞に発現しているが特に粘膜下腺組織および浸潤白血球に強い発現が認められた。 3.アゴニスト刺激で受容体のダウンレギュレーションが起こるかどうかを確かめる目的で、ヒト鼻粘膜上皮を培養し、デキサメサゾン刺激後のグルココルチコイド受容体mRNA発現の程度の経時的変化を検討した。グルココルチコイド受容体mRNAの定量はABI PRISM7700 Sequence Detection Systemを用いたリアルタイムRT-PCR法を用いて行っている。ステロイド刺激早期には受容体遺伝子のアップレギュレーション、後期にはダウンレギュレーションが起こる傾向を認めた。これについては現在も詳細に検討中である。
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