近交系ルイスラット、雄、8週齢を使用し、生理的食塩水に溶解したSalmonella endotoxin2.5μgをラットの硝子体中に注入して実験ぶどう膜炎を作成した。細隙灯を用いた観察では、ラットの前房内に注入後12時間から24時間に著明な炎症反応が観察された。さらに、角膜内皮細胞におけるICAM-1の発現を観察するために免疫走査電子顕微鏡による解析を施行した。角膜内皮細胞では注入後3時間より細胞辺縁にmarginal foldが、細胞表面にmicrovilliが増加した。さらに強拡大で観察するとmicro elevationが細胞表面全体に観察された。marginal fold、microvilliおよびmicro elevationは注入後6、8、12、24時間と増加した。そしてこのmarginal fold、microvilliおよびmicro elevationは注入後36時間以降減少した。ICAM-1反応金粒子数は、注入後6時間より増加していた。注入後12時間から24時間に最も増加し、注入後36時間からICAM-1反応金粒子数は時間の経過とともに減少していった。角膜内皮細胞におけるICAM-1の発現を確認した上で、ICAM-1の角膜内皮細胞内における局在を樹脂包埋超薄切片法による免疫透過電子顕微鏡を用いて現在検討中である。
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