1. 蛋白分解酵素阻害剤の硝子体注入実験 リポフスチン等の顆粒が細胞内に尋常に増加した場合、細胞小器官やその周囲の組織にどのような影響を与えるかをみる実験を行った。白色ラットの硝子体へ蛋白分解酵素阻害剤であるE-64を注入することにより、網膜色素上皮にリポフスチン様顆粒が増加する。顆粒の増加は、ある時点までは可逆性であるが、蓄積が1週間以上続くと、網膜色素上皮の委縮、視細胞外節、内節の短小化、脈絡膜毛細血管の委縮を来たすことを見い出した。 2. 加齢と網膜色素上皮およびブルッフ膜の変化 加齢に伴って、人眼では網膜色素上皮細胞内のリポフスチン顆粒、ブルッフ膜の厚さが増加する。その変化は直線的ではなく、一定の年齢に達するとプラトーに達することを見い出した。
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