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1998 年度 実績報告書

眼窩部MRスペクトロスコピーを用いた甲状腺眼症における眼窩脂肪の組成解析

研究課題

研究課題/領域番号 10770943
研究機関札幌医科大学

研究代表者

橋本 雅人  札幌医科大学, 医学部, 助手 (90295353)

キーワードMRスペクトロスコピー / 甲状腺眼症 / 眼窩 / コンドロイチン硫酸プロテオグリカン
研究概要

研究計画:
1. 実験的に1%コンドロイチン硫酸のプロトンMRスペクトロスコピー(^1H-MRS)を用いたin vitroにおける解析を行った。
2. 甲状腺眼症23例:36眼(男性6例、女性17例)、年齢:15〜66歳(平均43.21±13.72歳)、健常者16例:28眼(男性 4名、女性12名)、年齢=24〜56歳(平均38.25±10.60歳)でinformed consentを得て眼窩脂肪の,^1H-MRSによる解析を行った。
3. 甲状腺眼症5例において、眼窩減圧術の際に得られた眼窩脂肪に含まれる,コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSP)をELISA法によって吸光度を測り実際の変化を確認した。
結果及び解析:
1. コンドロイチン硫酸のピークは5.24ppmで得られ、それはin vitroにおける正常者及び甲状腺眼症患者の^1H-MRSでも認められた。
2. コンドロイチン硫酸と水の^1H-MRSにおけるピークの比を取りその分布をみると、コントロールグループでは平均比は0.178であるのに対し、甲状腺眼症群では0.287と明らかに高い結果が得られた。p<0.01
3. 甲状腺眼症5例について、^1H-MRSで得られたコンドロイチン硫酸と水のピーク比を縦軸に、また実際に手術で得た脂肪をELISA法によって解析して得たCSPの吸光度を横軸に示すとr=0.69で両者は相関している結果が得られた。
従って、甲状腺眼症の中で、このピークが高い症例は実際にCSPが眼窩脂肪中に多く含まれていることがELISA法によって証明された。
これらの解析結果から、^1H-MRSによって、眼窩後組織中のCSPの同定が可能であり、^1H-MRSは甲状腺眼症の活動性をみる有用な検査法であることが証明された。今後の研究の展開として、更に症例数を増やし^1H-MRSで得られるCSPと臨床症状との関連性について検討して行く予定である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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