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1998 年度 実績報告書

ヒト白血球mRNAを用いての先天色覚異常の臨床診断

研究課題

研究課題/領域番号 10770960
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

山口 朋彦  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70220267)

キーワードヒト抹消血リンパ球 / mRNA / 赤・緑視物質遺伝子 / RT-PCR
研究概要

1. 先天赤緑色覚異常者における分析に先立ち、本年度はまず正常色覚者における分析を行った。
日本人正常色覚男性72人に対して、心理物理学的分析としてのアノマロスコープを行い、Reighley均等を測定して色覚の個人差を評価した。また抹消血リンパ球からゲノムDNAを抽出し、赤および緑視物質遺伝子のゲノム上での構造(数および多型性)について定量的PCR-SSCP法を用いて分析・決定した。
2. 次にそれら被験者のなかから代表的な3症例を選択し、抹消血リンパ球からメッセンジャー(mRNA)を抽出し、その後逆転写酵素を用いて相補的DNAを作ることが出来た。
3. 得られた相補的DNAを鋳型とし、赤および緑視物質遺伝子共通のブライマーを用いてRiverseTranscription-PCRを試み、赤および緑視物質遺伝子のmRNAの存在を分析した。4. 赤視物質遺伝子のmRNAの存在は微量に認めたものの、緑視物質遺伝子のmRNAの存在を証明するPCR産物を得ることは出来なかった。方法としてPCRのサイクル数を増加させることも考えたが、定量性が著しく損なわれると考えられた。これらの原因としてはヒト白血球中の視物質mRNAの量が微量であるためと考えられた。
5. 今回我々は現段階では最も鋭敏で正確と考えられるPCR-SSCP法を用いて分析を試みたが、今後、ヒト白血球中の赤視物質遺伝子のmRNAと緑視物質遺伝子のmRNA比を測定して表現型である色覚と比較し、網膜における赤および緑視物質遺伝子の発現を類推するためにはより鋭敏かつ定量性の確かな方法の開発が必要であることが解った。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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