1. Phicoll-Conreyを用いた方法によってヒト末梢血中のリンパ球を従来より多く採取し、mRNAを抽出することができた。その後、逆転写酵素を用いて相補的DNAを作り、更に赤および緑視物質遺伝子共通のプライマーによってPCRを行い、赤および緑視物質遺伝子のmRNAが確かにリンパ球中に存在していることが証明された。 2. 得られる相補的DNAが微量なため、放射性同位元素を用いての定量的Riverse Transcription PCR-SSCP法によって赤視物質mRNAと緑視物質mRNAの比を定量することはできなかった。また放射性同位元素と同等あるいはより鋭敏とされる蛍光色素を用いての定量も不可能であった。 3. ヒト末梢血リンパ球中におけるmRNAのうち、視物質mRNAはその存在は証明されうるものの、それらから網膜における視物質の発現を類推することは不可能であると考えられた。
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