研究概要 |
眼内に活動性病変のあるHLA-DR4(DRBl^*0405)陽性原田病患者数名の眼局所浸出細胞、脳脊髄液内浸出細胞及び末梢血単核球(PBMC)を採取して、rIL-2、feeder細胞(X線照射した混合健常人末梢血単核球)存在下に限界希釈法を用いてT細胞クローン(TCC)を樹立した。樹立したTCCのphenotype解析はフローサイトメトリーにて行い、CD3+CD4+のTCCを以下のassayに用いた。同原田病患者のPBMCにB95-8培養上清を加え、EB Virus transfomed B cell lineを樹立した。また、抗原提示細胞としてこの自己B細胞株およびHLA-DR4(DRBl^*0405)陽性のL-DR4(a mouse trasfected L fibroblast cells)を用い、メラノイト細胞株のHLA-DR4(DRBl^*0405)陽性株および陰性株も標的細胞として用いた。抗原ペプチドとしてはメラノサイト抗原遺伝子の一つ、Tyrosinaseから同定されたHLA-DR4 binding peptide(Ty450-462;SYLQDSDPDSFQD)を合成した。陽性コントロールペプチドとしてDR4 bindingのApolipoprotein B(AP-B-100;KPYNEAKTKFDKY)を、陰性ペプチドとしてDRl bindingのインフルエンザへマグルチニンペプチド(HA306-318;PKYVKQNTl,KLA′r)をを合成し、用いた。まず、樹立したTCCのサイトカイン産生能をELISA法により検討した。測定したサイトカインはIL-1a,L-2,IL-4,IL-6,IL-10,TNF-a,IFN-g,GM-CSF,及びIL-8,RANTES,MIP-1a,bなどのケモカインで無刺激下でのCD4+TCCのこれらの産生能を測定した。これらのTCCはIL-6,IFN-g,IL-8,RANTES,MIP-1a,bなどが対照(健常人末梢血単核球由来TCC)と比べ有意に高値を示した。
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