研究概要 |
ミオシリンは緑内障の原因となっている遺伝子であるが、今回この遺伝子をpEGFP-N3ベクター(Clonetech社,Ca)にPCRを用いて増幅した断片を、EcoRI/BamH3制限酵素にて切断しベクターに導入した。GFP蛋白質との融合蛋白質を作成した。Green fusion protein(GFP)蛋白質は生体内における蛋白質の局在を生きたままの状態で蛍光を発し観察するためのマーカー蛋白質である。ミオシリンの細胞内の局在を検討するために、リボフェクション法にて横紋筋由来のSJRH30細胞、COS細胞にミオシリンを導入し観察した。GFPのみとミオシリンGFPの融合蛋白質、非導入細胞をそれぞれ蛍光顕微鏡を用いて解析した。GFPのみを導入した細胞は細胞質、核の全体に強い蛍光強度を認めた。GFP.ミオシリン融合蛋白質の発現を解析したところ、局在は編み目状の局在を示した。ミオシリンが細胞内において編み目状の局在を示したことより、細胞の構造に関わっている蛋白質であることが確認された。ミオシリン蛋白質のC末端を短縮した変異蛋白質を作成し、培養細胞に導入し観察したところ、蛍光顕微鏡レベルでの大きな変化は見られなかった。このことから、細胞内の局在にはミオシリンのロイシンジッパードメインの存在が重要であるものと考えられた。また、PMAで培養細胞を刺激したが、蛋白質の局在に大きな変化は見られなかった。
|