研究概要 |
昨年度は,ヒト及びマウスの羊膜細胞の採取し,これを継代培養することに成功した。今年度の目標は、培養羊膜細胞に遺伝子を導入して、さらに遺伝子導入された羊膜細胞の生体内での生着効率を検討することであった。 【羊膜細胞への遺伝子導入】 導入遺伝子にはCMVpromoterにGreen Fluorescent Ptotein geneとその下流にPolyAを着けたプラスミッドを用いた。羊膜細胞への遺伝子導入にはGene Gunを用いた。遺伝子導入効率は、ヒト羊膜細胞で約40%、マウス羊膜細胞で56%であった。遺伝子の発現は蛍光顕微鏡を用いて蛍光の発現を観察することでおこなった。 【羊膜細胞のホーミング】 遺伝子導入したマウス羊膜細胞をマウスの脾臓内へ移植し、羊膜細胞の体内分布を経時的に観察した。移植した羊膜細胞は、脾臓だけにとどまらず、肝臓、骨髄にも認められた。 【神経芽腫担癌状態での羊膜細胞の体内分布】 マウス神経芽腫の周囲に遺伝子導入した羊膜細胞を移植して、経時的に体内分布を観察したところ、神経芽腫腫瘍塊の内部および、肝・脾臓に羊膜細胞を認めた。 【今後の課題】 本年度の目標は、さらに自殺遺伝子であるHSV-TKを羊膜細胞に導入して、マウス神経芽腫にたいする腫瘍増殖抑制効果を検討することであったが、遺伝子の羊膜細胞への導入効率が十分でないため、次年度に継続して研究したいと考える。
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