ヒト正常歯肉線維芽細胞にInterleukin-6(IL-6)を誘導するMycoplasma salivarium(MS)由来の物質の性状について新たにわかったことは以下の通りである。 1 MS由来のIL-6産生誘導物質はMs細胞内に存在するタンパク性の物質であり、熱処理を行っても活性が30%以上残っていた。 2 DEAE-sephacelによるイオン交換クロマトグラフィーにより、IL-6産生誘導物質は、argininedeiminaseとは明らかに異なる物質であるということがわかった。 3 さらにCM-sepharose、DEAE-sephacelと、カラムを変えて精製を行った結果、比活性にして30倍以上に達するサンプル(MSA)が得られた。 4 MsAのSDS-PAGEを行うと、20.6キロダルトンのメジャーバンドと2本のマイナーバンド(82.5キロダルトンと40.5キロダルトン)が観察された。 5 MsAでTHP-1を刺激したところ、TNF-α、IL-1β、IL-6の産生誘導は見られなかったため、MsAはこれまでに報告されている物質とは異なっているということがわかった。 6 MsAの活性はグラム陰性菌のLPSと異なり、血清の非存在下でも失われることがなかった。 以上のことについては、現在雑誌に投稿中である。
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