1999 年度実績報告書

膜結合型トランスフェリン様蛋白質を介する軟骨分化促進機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号	10771012
研究機関	広島大学
研究代表者	藤本勝巳広島大学, 歯学部, 助手 (40294566)
キーワード	トランスフェリン / 軟骨 / コンカナバリンA / 分化
研究概要	コンカナバリンA(ConA)は軟骨分化を強力に促進する。膜結合型トランスフェリン様蛋白(MTf)はConA結合蛋白として軟骨細胞から精製されてきた蛋白で、正常成体組織ではほぼ軟骨に特異的に高発現していることからMTfはConAの軟膏分化促進作用を仲介する蛋白の1つと考えられる。〔研究結果〕 1.軟骨分化能をもつATDC5細胞にMTfを強制発現させ、軟骨分化に与える影響について解析した。MTfを高発現させた細胞ではマトリックスの合成が増加し、軟骨分化が促進していた。 2.酵母のtwo-hybrid systemを用いて、MTfと相互作用する蛋白質の遺伝子のクローニングを試みた。ヒト軟骨細胞のcDNA library 約2×10^6個から、5個の陽性クローンが得られ、その全ては242アミノ酸からなる同じ蛋白質をコードしていた。この蛋白質は機能的には全く未知であるが、C端附近にC-type lectin domain 様の構造を有していた。

[文献書誌] Kotsumi Fujimoto: "Identification of Protein kinase C Phoshorylation Site Involved in Phorbol Ester-Induced Desensitization of the Histamine H1 Receptor"MOLECULAR PHARMACOLOGY. 85. 735-743 (1999)
[文献書誌] Seicho Makihira: "Enhancement of Cell Adhesion and Spreading by a Cartilage-specific Noncollagenous Protein,Cartilage Matrix Protein(CMP/Matri/in-1),via Integrin α,β,"The Journal of Biological Chemistry. 274. 11417-11423 (1999)
[文献書誌] Shigeru Ohno: "RGD-CAP(Big-h3)enhances the spreading of chondrocytes and fibroblasts via integrin α,β,"Biochimica et Biophysica Acta. 1451. 196-205 (1999)