研究概要 |
大阪府老人大学講座受講生145名に対し,口腔内調査および栄養摂取状況調査を行い次の結果が得られた. 1. 一人平均現在歯数 調査対象者の現在歯数の平均は20.8±8.6本であった.年齢層が高くなるとともに現在歯数は減少していくが,特に女性の方がより顕著に減少した.現在歯数は,各年齢層とも全国平均よりも6〜8本多かった.また現在歯数は,年齢階層が高くなるに従って標準偏差が大きくなったことより,個人差が拡大して行くことが示唆された. 2. 義歯装着状況 上下顎の義歯装着状況は,全部床義歯装着者(以下,CDとする.)は上顎9.4%,下顎8.1%,部分床義歯装着者(以下,PDとする.)は上顎26.6%,下顎32.7%,歯列に有床義歯を必要とする欠損のない者は,上顎64.0%,下顎59.3%であった.また,今回の調査対象者のうち上下顎のいずれかに義歯を装着している者が48.8%と全体の約半数を占めた. 3. エネルギー摂取量の充足率 エネルギー摂取量の充足率は,男性が平均95.6%,女性が105.0%と女性の方が高く,0.1%以下の危険率で有意差がみられた.「天然歯群」と「義歯装着群」とを比較したところ,男性では,エネルギーの平均充足率は,「天然歯群」では95.2±21.1%,「義歯装着群」では96.0±26.9%であり,また女性では,「天然歯群」では103.2±22.2%.「義歯装着群」では106.9±23.8%といずれもほとんど差はみられなかった.
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