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1998 年度 実績報告書

腫瘍マーカーGST-π、p53を用いた口腔癌の補助診断と化学療法効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 10771141
研究機関札幌医科大学

研究代表者

藤田 芙美恵  札幌医科大学, 医学部, 助手 (40295358)

キーワード口腔扁平上皮癌 / MIB-1 / 上皮増殖因子受容体 / 免疫組織化学 / 臨床病理学的所見 / 悪性度 / β-カテニン / チロシンリン酸化
研究概要

上皮増殖因子(epidermal growth factor:EGF)とその受容体(EGFR)は、多くの細胞の増殖・分化を調節する重要な増殖因子系である。特にEGFR蛋白はチロシンリン酸化に関係する遺伝子産物で、扁平上皮癌に特異的に過剰発現することが報告され、扁平上皮癌の悪性度に関わることが予想されている。本研究では口腔癌におけるEGFR過剰発現と個々の症例における既知の臨床病理学的所見、予後との関係、さらに細胞核内増殖因子MIB-1の発現との関係についても検索した。86例の口腔癌症例から得られた生検組織におけるEGFR、とMIB-1の発現を免疫組織化学を用いた蛋白レベルにて検索した。EGFR発現細胞10%以上をEGFR陽性とし、MIB-1の発現は陽性細胞の標識率で示した。EGFRの陽性率は32.5%で、陽性例は腫瘍の大きさ、臨床病期、分化度と相関しなかったが、リンパ節転移ならびに癌の浸潤様式とは有意の相関が認められた。特に腫瘍の発育先進部において高度のびまん性浸潤を示す癌細胞に強いEGFRの過剰発現がみられた。また、概びてMIB-1標識率はEGFR陽性例におけるEGFR陰性例よりも有意に高かった。これらEGFR陽性例では陰性例よりも再発が多く、また術後生存率に関しても有意に不良であった。Cox比例ハザードモデルによる検索では、EGFRの発現はリンパ節転移とならび、生存率に強く影響する高度危険因子として評価され、EGFRは口腔癌の悪性度因子としての有用性が示唆された。現在、同じチロシンリン酸化に関係する接着因子β-カテニンの発現、mutationとの関係について検索するべく、予備実検をすすめている。、

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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