同意の得られた扁平上皮癌患者10名から末梢血を5ml採取し、dynabeads anti-epithelial cell kit(veritas社)を用いて、末梢血中の扁平上皮癌細胞を捕捉した。 これらの捕捉した微小転移癌細胞からpoly(A)RNAを抽出し、RT-PCR法にて以下の転移関連遺伝子の発現を解析したところ、次のような結果を得た。 1.CD44スタンダード;すべての患者からその発現が認められた。 2.CD44v6;10名中2名で発現が認められた。 3.CD44v9;10名中9名で発現が認められた。 4.E-カドヘリン;10名中1名で発現が認められた。 以上の結果から本システムは(1)末梢血中の転移癌細胞を捕捉、回収可能であること、(2)回収した細胞から各種癌関連遺伝子の解析が可能であることが示された。また、各患者の採血時の病態と遺伝子発現状況を比較検討することにより、予後の予測、治療法の選択など臨床応用の可能性が強く示唆された。
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