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目的:歯垢懸濁液の微小なサンプル系での電位差自動滴定によって、最近開発されたオリゴ糖の酸産生能を迅速に試験する方法を確立することを目的として本研究を行った。
方法:歯垢の酸産生能の微小測定系の確立 歯垢懸濁液でのオリゴ糖の酸産生能の測定
歯口清掃を中止して蓄積した歯垢を滅菌エキスカベーターにて採取し、直ちに150mM KCl-5mM MgSO4で洗浄後、同液に懸濁した。この歯垢懸濁液、2mM リン酸緩衝液(PPB、pH7.0)、代謝基質で可能な限り微小なサンプル系を作った。この反応系に糖添加後の酸産生能を、37℃恒温槽中で電位差自動滴定により評価した。同研究はボランテアの成人5名で行った。
結果:1)蓄積された歯垢の総湿重量は、一口腔あたり平均約80mgであった。2)微小反応系の総量は約1mlで、同懸濁液中に5-10mgの歯垢(湿重量)を含有した。3)酸産生能を評価するのに最適な糖濃度は0.1-0.2Mであった。4)本微小測定系で計測した酸産生能は、大きい順にグルコース>フルクトース>ラクトース>がラクトース>ソルビトールであった。
考察:成人に比べ小児では間食に糖を多く含む食品を摂取する機会が多く、間食習慣が乳歯齲蝕に大きな影響を及ぼす。今後長期にわたり大量に使用される可能性のある種々の代用糖の齲蝕誘発性のスクリーニング法を確立ることは、小児の口腔の健康上、大変重要である。本研究結果より、一口腔内で蓄積した歯垢で数種類の糖のスクリーニングが可能であることが示唆された。酸産生能の評価は、これまでの報告と一致する。しかし、小児の歯垢と成人の歯垢では酸産生能に違いがあると言われている。今後は外来の小児の口腔内の歯垢で本研究を継続し、成人の歯垢で得た本結果と比較したい。
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