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1999 年度 実績報告書

ディファレンシャル・ディスプレイ法による根尖性歯根吸収調節因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10771169
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

松本 芳郎  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20292980)

キーワード歯の移動 / 歯科矯正 / 骨吸収 / 歯根吸収 / MMP-1 / カテプシンK / In situ hybridization / 歯根吸収調節因子
研究概要

7週齢雄性SDラットの上顎臼歯の歯間に矯正用ゴムを挿入して上顎臼歯を近遠心的に移動し,歯根吸収を引き起こした。7日後に灌流固定し,蟻酸にて上顎骨標本を脱灰後,通法通りパラフィン切片を作成した。コラーゲン分解酵素であるマトリックスメタロプロテイナーゼ-1(MMP-1)およびカテプシンKのmRNAを検出するため,ジゴキシゲニン標識RNAプローブを用いたin situ hybridization法を上顎骨脱灰切片に対して行った。また,破歯細胞および破骨細胞の同定のため,酵素組織化学的手法による酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRAP)染色を隣接切片に対して行った。
MMP-1のmRNAは線維芽細胞様細胞,セメント芽細胞,骨芽細胞で検出されたが,TRAP陽性の破歯細胞および破骨細胞では検出されなかった。また,MMP-1のmRNAは,破歯細胞近傍に存在するセメント細胞や骨細胞に強く発現していた。すなわち,歯の移動に伴う歯根吸収において,MMP-1によるコラーゲンの分解は,破歯細胞以外の周囲の細胞により行われていると考えられた。
一方,カテプシンKのmRNAは破歯細胞および破骨細胞にのみ発現していた。すなわち,歯の移動に伴う歯根吸収の際に,カテプシンKによるコラーゲンの分解は,破歯細胞により行われていると考えられた。
以上の結果から,MMP-1およびカテプシンKは,骨吸収と同様に歯の移動における歯根吸収の際にも,重要な役割を果たしていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Sayaka Domon: "In situ hybridization for matrix metalloproteinase-1 and catepsin-K in rat root-resorbing tissue induced by tooth movement"Archives of Oral Biology. 44・11. 907-915 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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