研究概要 |
骨組織形態計測法は骨のリモデリングの動態を知るうえで非常に有効な方法である.これは抗生剤が骨組織に結合し標識され蛍光を発する性質を利用して,ラベル時にリモデリングしている部分(標識部)をパラメターとして計測する理論に基ずく.以下に実験の方法を示す. 1) ネンブタール麻酔下に雑犬(5頭)の下顎右側部に外表より切開を加え広頚筋を剥離後,エアートームにより下顎骨骨体部を手術的に骨折させ創外固定器Orthofix M-100を装着した。 2) 5日間の術後回復期間を置き下顎骨体部の軟X線写真を撮影。 3) 仮骨延長量,延長期間により対象を5つの実験群に分類。 4) 連続延長群(200μm/day),(500μm/day)ならびに間欠延長群(5日間200μm/day,1週間休止,200μm/day),(5日間μm/day,1週間休止,500μm/day),一時延長群(5mm/1回)のプロトコールに沿い,17日間の延長仮骨を行った。 5) 延長開始期より3日間(テトラサイクリン)-5日間休止-3日間(カルセイン)-5日間休止のスケジュールで骨にダブルラベリングを行った。 6) 実験終了後屠殺し下顎骨を摘出、解剖学的形態計測ならびに顕微鏡撮影用乾板プレート上で軟X線写真撮影後にアルコール固定し通法に従いメチルメタクリレートに包埋、未脱灰硬組織研磨標本を作製した。 7) 100μ厚の標本においてcontact-microradiogram撮影後に更に研磨して約10μ厚の染色標本を作製した. 8) 染色はVillanueva bone stainを行った。これにより類骨,骨組織の選択的な判定が可能である.
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