研究概要 |
1. 目的 骨再生誘導法(GBR)における骨形成過程の特徴を明らかにするため骨形成細鉋の分布と増殖する新生骨梁との関係について経時的に観察する. 2. 実験材料 1) 実験動物:ビーグル犬24頭 2)非吸収性保護膜:e-PTFE膜(Gore-Tex,Ova) 3. 実験方法 1) 骨欠損の作製およびe-PTFE膜の応用:歯槽堤の作製のため,下顎左右側第1〜第4前臼歯を抜去,4カ月間放置する.抜歯4カ月後,頬側皮質骨を含む近遠心幅8mm,頬舌幅3mm,深さ6mmの頬側裂開型骨欠損を作製し,直ちに実験群にはe-PTFE膜で被覆する. 2) 病理紹織学的観察:実験群,対照群各々の部位を含む顎骨を骨欠損の近遠心幅中央部で二分割し、近心側はヘマトキシリン・エオジン重染色および類骨染色(吉木法),遠心側はアルカリフォスファターゼ活竹の組織化学的検出を行う.尚,観察期間は手術後1,2,4,8,16週とし,各期間につき4頭とする. 4. 結果 e-PTFE膜を用いたGBRの骨形成過程の初期では,類骨の新生に先行してALPase活性を示す紡錘形細胞が血管の増生とともに骨髄部より増殖し,e-PTFE膜で被覆された骨欠損内全域を満たした.その後,ALPase活性を示した紡錘形細砲の分布領域にほぼ一致して母床骨壁より類骨が形成され,さらに石灰化し,成熟することが示唆された.
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