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1999 年度 実績報告書

溶液中におけるアルキリデンカルベンの存在形態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10771250
研究機関徳島大学

研究代表者

末田 拓也  徳島大学, 薬学部, 助手 (40260682)

キーワード超原子価有機ヨウ素化合物 / ビニルヨードニウム塩 / アルキリデンカルベン / オキソニウムイリド
研究概要

THF中、室温でビニルヨードニウム塩にトリエチルアミンを作用させると、アルキリデンカルベンが発生し、その結果、分子内1,5-C-H挿入反応が進行することを既に見出していた。ところがこの反応を低温で行ったところ、カルベンに溶媒のTHFが反応した結果生成した、ビニルエーテルが主生成物として得られた。また、種々のビニルヨードニウム塩やアミンを用いても同様の結果が得られた。この反応温度による生成物の変化から、カルベンと、これに溶媒のTHFが反応したオキソニウムイリドとの間にエントロピー支配を受ける速い平衡が存在することが強く示唆された。また、アルキリデンカルベンとTHFとの反応の反応経路を分子軌道計算を用いて解析し、アルキリデンカルベンとオキソニウムイリドとの間に平衡関係が成立することを確認した。一般に、アルキリデンカルベンはTHF中で発生させられることが多い。このことからも、本研究はカルベン中間体を経由する反応の設計に極めて重要な指標を提供することになる。
THFよりも求核性の大きいテトラヒドロチオフェンを溶媒に用いてアルキリデンカルベンを発生させ、生成したスルホニウムイリドとアルキリデンカルベンとの間の平衡関係の存在に関して検討した結果、これらの間には平衡関係が全く成立しないことが判明した。また、アルキリデンカルベンとテトラヒドロチオフェンとの反応の反応経路の分子軌道計算による解析からも、アルキリデンカルベンとスルホニウムイリドとの間には平衡関係が成立しないことを確認した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ochiai,M.: "Evidence for Reversible Ylide Formation"Journal of The American Chemical Society. 118/42. 10141-10149 (1996)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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