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1998 年度 実績報告書

メカノケミカル固相重合を用いる新規高分子医薬の製造法の基礎と開発

研究課題

研究課題/領域番号 10771271
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

近藤 伸一  岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (90240944)

キーワードメカノケミカル固相重合 / 高分子プロドラッグ / 固相-電子移動 / メカノラジカル / 医薬品モノマー / 医薬品添加物 / 薬物放出速度式 / 5-フルオロウラシル
研究概要

医薬品添加物存在下におけるメカノケミカル同相重合の動力学および生成高分子プロドラッグからの薬物放出特性について検討した。医薬品添加物として汎用されている乳糖の存在下において、医薬品モノマーのメカノケミカル固相重合を実施すると、乳糖がない場合と比較して、より速やかに重合が進行し、かつ、より低分子量の高分子プロドラッグが得られた。さらに、生成高分子プロドラッグは、メカノケミカル固相重合の特徴の1つである極めて単分散性に近い分子量分布を有することを明らかにした。同様な結果は、医薬品添加物としてステアリン酸マグネシウムを用いた場合にも得られた。本方法により得た乳糖含有高分子プロドラッグは、高分子プロドラッグを合成した後、乳糖との混合により調整したブレンドマーよりも薬物放出が速やかに進行し、乳糖が高分子プロドラッグ粉末中により均一に分散していることが示唆された。このように、高分子プロドラッグ粉末中に乳糖の粒子がより均一に分散した高分子プロドラッグは通常の方法では得ることが難しく、本方法によってのみ可能であることを明らかにした。
上述の高分子プロドラッグ粉末を含め、水不溶性高分子プロドラッグからの薬物放出に関して、より理論的に評価するために、単純なモデルを想定し薬物放出速度式を導いた。すなわち、高分子プロドラッグ粉末からの薬物放出においては、高分子ー薬物間の加水分解反応と遊離した薬物が高分子粉末中を拡散し放出拡散される過程が重要であると考え、速度式を導いた。その結果、本速度式は実験結果をよく再現し、かつ、本速度式より導かれる加水分解反応速度定数および拡散係数は高分子プロドラッグの特徴をよく表しており、本速度式の水不溶性高分子プロドラッグへの適用の有用性が示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Shin-ichi Kondo,Shouichi Hosaka,Masayuki Kuzuya: "Mechanochemical Solid-State Polymerization.VIII Novel Composite Polymeric Prodrugs Prepared by Mechanochemical Polymerization in the Presence of Pharmaceutical Aids." Chem.Pharm.Bull.46(4). 669-673 (1998)

  • [文献書誌] Shin-ichi Kondo,Shouichi Hosaka,Isao Hatakeyama,Masayuki Kuzuya: "Mechanochemical Solid-State Polymerization.IX. Theoretical Analysis of Rate of Drug Release from Powdered Polymeric Prodrugs in a Heterogeneous System." Chem.Pharm.Bull.46(12). 1918-1923 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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