• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

スフィンゴシン塩基生合成の遺伝生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10771311
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

花田 賢太郎  国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (30192701)

キーワードスフィンゴ脂質 / セリンパルミトイル転移酵素 / スフィンゴミエリン / 突然変異細胞 / CHO細胞
研究概要

スフィンゴ脂質生合成の初発段階を担うセリンパルミトイル転移酵素(SPT)の発現には、少なくとも二つの遺伝子(LCB1,LCB2)が必須であることが出芽酵母の遺伝学的研究から明らかにされているが、これら二つの遺伝子産物がSPTのサブユニットであるか否かは不明のままであった。
ライセニンはスフィンゴミエリン結合性細胞毒である。突然変異剤処理したハムスター由来CHO-Kl細胞から少なくとも三つの型のライセニン耐性変異株を分離した。そのなかの一つLY-B株は、LCBl蛋白質の発現が欠損し、SPT活性およびスフィンゴ脂質生合成能もほぼ完全に欠失していた。His6配列を付加したハムスターLCBl蛋白質をLY-B細胞に発現した場合、回復したSPT活性はHis6親和性樹脂に吸着し、内在性のLCB2蛋白質も樹脂に吸着することを示した。また、野生株細胞のSPT活性が抗LCB2蛋白質抗体で免疫沈降され、その際、内在性LCBl蛋白質も共沈降することも示した。これらの結果から、SPTにおいてLCBl蛋白質とLCB2蛋白質が複合体を形成していることが初めて証明された。
LY-B株は、スフィンゴ脂質欠損培地中では増殖できないが、LY-B株に野生型LCBl蛋白質を遺伝子導入法で発現させるとSPT活性、スフィンゴ脂質合成活性およびスフィンゴ脂質欠損培地中での増殖能が回復した。なお、我々が以前分離した温度感受性変異株SPB-1とは異なり、LY-B株の欠損は33-40℃のどの培養温度でも見られた。これらの結果から、哺乳動物細胞の増殖に関して、スフィンゴ脂質は広い生理的温度で重要な役割を担っていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kentaro Hanada: "Mammalian Cell Mutants vesistant to a Sphingomyelin-directed Cytolysin" The Journal of Biological Chemistry. 273・50. 33787-33794 (1998)

  • [文献書誌] Masayoshi Fukasawa: "Genetic Evidence for ATP-Dependent ER-to-Golgi Trafficking of Ceramide for Shingomyelin Synthesis inCHO Cells" The Journal of Cell Biology. (印刷中). (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi