温度感受性SV40T抗原遺伝子導入トランスジェニックラットの網膜より網膜毛細血管内皮細胞をcollagenase/dispase処理及び密度勾配法により採取し、10%FBS含有DMEM培地にて5%CO_2雰囲気下33度で培養した。増殖の速い細胞株について2回コロニー形成を行い、ペニシリンカップを用いて単一細胞由来の細胞株(TR-iBRB)5株を単離した。これらTR-iBRBは内皮細胞特有のspindle-fiber状の形状を示し、Western blot法によりSV40T抗原の発現が明らかとなった。TR-iBRBは19から21時間のdoub11ng timeで増殖し、100代の継代においそも細胞の形状に大きな変化はなかった。さらに、ラット網膜毛細血管内皮細胞での存在が報告されているGLUT-1が発現していることがWestern blot法により明らかとなり、単離した細胞株は網膜毛細血管内皮細胞であることが示された。さらにGLUT-1の基質である[^3H]-3-O-methyl-D-glucose([^3H]-3-OMG)の細胞内取り込み量は少なくとも20秒は直線を示し、その初期取り込み速度は3から6μl/(min・mg protein)であった。[^3H]-3-OMGのTR-iBRBの取り込みはNa^+非依存性及び濃度依存性を示した。Michaelis定数は5.6mM、最大取り込み速度は45nmol/(min・mg protein)であった。従って、本法によって増殖可能で3-OMG(D-glucose)の輸送機能を有した網膜毛細血管内皮細胞株が樹立できた。
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