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1998 年度 実績報告書

シアンによるイオウ転移酵素の発現誘導と解毒機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10771328
研究機関明治薬科大学

研究代表者

小笠原 裕樹  明治薬科大学, 薬学部, 助手 (20231219)

キーワードシアン / イオウ転移酵素 / 解毒 / ロダネーゼ
研究概要

シアン投与時の組織特異的酵素活性及び結合型イオウ(スルファンプール)の変動
ラットに対しシアン化カリウムを腹腔内投与し、一定時間後に、肝臓、腎臓、血液を採取し、肝臓、腎臓中における硫黄転移酵素3-MST、ロダネーゼ及び、基質となる結合型イオウを生成する酵素であるγ-シスタチオナーゼの活性と、結合型イオウ含量及びチオシアン酸量を測定した。結合型イオウ含量及びチオシアン酸量については血液中での変化も併せて測定した。その結果、肝臓及び腎臓中の結合型イオウは投与30分後で減少し、腎臓でチオシアン酸量の若干の増加が見られた。それに対し、2時間後、4時間後ではコントロール群との間に差が認められなかった。血中の結合型イオウ量にはシアン投与後30分で、一定の変化は認められなかったが、チオシアン酸量は、投与30分後で顕著に上昇し、2時間後で更に高値となった。この事から、シアンは投与後速やかにチオシアン酸へ解毒される事が考えられた。一方、肝臓、腎臓中のシアン解毒に関連することが予想された酵素群では、腎臓のγ-シスタチオナーゼ活性が若干上昇することが観察されたのみで、3-MST、ロダネーゼ活性に有意な変動は認められなかった。
シアン投与時に認められた血中チオシアン酸レベルの上昇は、明らかにシアンが結合型イオウと反応し解毒されたことを示すが、そのチオシアン生成に匹敵する結合型イオウの消費換算量は、肝及び腎臓での結合型イオウの減少量に比べ数倍高いものであった。従って肝及び腎以外の組織での急速な解毒代謝が予想され、他の臓器での結合型イオウ量の減少及び酵素活性の変化について現在検討している。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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