本年度は、受療満足度がその後の受療継続に与える影響を明らかにすることを目的として調査を実施した。調査対象者は、平成10年度に実施した自記式による患者満足度調査の対象者で、対象機関(人数)は大阪市内のA病院(247)、名古屋市内のB病院(133)、大阪市内のC診療所(38)、東京都北区内のD診療所(85)、計503名であった。調査は、前記503名について平成10年度の調査後1年3ヶ月〜1年4ヶ月の時点の受療状況を医療事務データにより、確認する方法で行われた。同一医療機関内の他科に受療している場合には、受療継続とは見なさないことにした。分析に用いた項目は、自記式調査票の中から、受療満足度尺度(19項目)、総合的満足度尺度(3項目)、医師と患者のコミュニケーションに関する満足度項目であった。分析の結果、患者満足度と受療継続の間には有意な関連性が見られ、患者満足度が低い患者において受療中断の率が高いことが明らかになった。
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