甲状腺癌手術時に採取した新鮮な正常甲状腺組織、濾胞腺腫、乳頭癌、濾胞癌、未分化癌各1例よりtotal RNA200μgを抽出しmRNA数μgを精製した。このmRNAをKinzlerらの原法に基づき逆転写してcDNAに変換した後制限酵素で切断し、3'側(polyA側)を磁気ビーズで精製した後5'リンカーをつけ、制限酵素で5'側を切断したものを3'側同士でLigaseでつなげた(Ditag)。DitagをPCRにて増幅した後、アクリルアミドゲルで精製し、制限酵素処理したのちLiagseによってDitag同士を連続してつなげたものをベクターにつなげ、ekectro-porationにて大腸菌に導入した。大腸菌よりプラスミドを精製し配列を確認したところ、15個以上の配列の異なるDigagが連続して挿入されていることがわかり、実験が期待通りに動いていることがわかった。各組織あたり約300個のクローンよりプラスミドを精製し、塩基配列解析を行った。現在までに各組織あたり2000個のDitagの配列の解析が終了している(1つのDitagは2個分のmRNAの配列を代表するため、各組織あたり4000個のmRNAの配列を解析したことになる。)。今後はKinzlerによって供給されているSAGE用遺伝子解析プログラムによって各mRNAの発現頻度の統計をとる予定である。
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