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1998 年度 実績報告書

異常ヘモグロビン症診断のルーチン化のための新技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10771350
研究機関大阪医科大学

研究代表者

宮崎 彩子  大阪医科大学, 医学部, 助手 (20298772)

キーワード質量分析 / 異常ヘモグロビン / DNA解析 / サラセミア / ルーチン化
研究概要

最新の質量分析(MS)法、等電点電気泳動法及び遺伝子解析法を組み合わせ、迅速・正確な実用的診断法を確立した。本システムを用い、学内外より依頼のあった異常ヘモグロビン(Hb)症疑いの16検体を分析した結果、異常ヘモグロビン9種11症例を同定した。
HbE(β26Glu->Lys)、HbSagami^*(β139Asn->Thr)、
HbJ-Lome(β59Lys->Asn)、HbHokusetsu^*(β52AsP->Gly)、
HbYoshizuka(β108Asn->ASP)、HbHamadan(β56Gly->Arg)、
HbLe Lamentin(α20His->Gln)、HbHoshida(β43Glu->Gln)、
HbMasuda(β114Leu->Met,β119G1y->Asp)
その内、2種(*印)は新規変異であった。その一つHbSazamiは、日本人に特有のプロモーター領域のTATAボックスに変異(-31A->G)が存在するβサラセミア症が合併していることをDNA解析の手法を用いて証明した。
また、日常検査法としての簡便さと迅速性を追求するため、律速段階である酵素消化を従来法に代えて、ビーズに酵素を固定化させたボロスザイムを使用し、行程の短縮化を検討した。トリブシンの場合、酵素反応時間は20分で定量的に消化ペプチドが検出できた(通常12時間)。一方、V8プロテアーゼの場合、10分より、消化ペプチドが検出し得たが、再現性等を考慮して反応時間は2時間とした(従来は12時間)。
更に、自家製の逆相樹脂を充填したナノスプレーチップ(内径200mm)をオンラインでMSに連結すれば、微量のナンプルで変異部位の同定が可能であることを、実証した(HbHamadan:2例、HbMasuda:1例)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Nakanishi,et al.: "Hb Sagami [β139(H17)Asn→Thr] : a new hemoglobin variant not detected by isoelectrofocusing and propan-2-ol test.was detected by electrospray ionization mass spectrometry" J.Mass Specrim.33 (4). 565-569 (1998)

  • [文献書誌] T.Nakanishi,et al.: "A new hemoglobin variant found during HbA1c measurement : Hb Hokusetsu [β52(D3)Asp→Gly]." Hemoglobin. 22 (4). 355-355 (1998)

  • [文献書誌] A.Miyazaki,et al.: "Compound heterozygosity for β^+-Thalassemia-31(A→G) and a variant with low oxygen affinity,Hb Sagami [β139(H17)Asn→Thr]" Hemoglobin. (in press). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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