保健婦(士)は看護の専門性を発揮させながら地域づくりに貢献しており、保健婦(士)がその育成に責任をもつ地域保健推進員活動も、住民の力を活かして行う地域づくりに向けた活動である。そこで、保健婦(士)が地域づくりをめざして行う活動の実態と特徴、推進員活動を発展させていく過程における保健婦(士)の認識を調べることにより、この活動における看護固有の役割を明らかにすることをめざした。 1. 保健婦(士)が地域づくりをめざして行う活動の実態調査 千葉県内市町村保健婦(士)に、地域づくりをめざした活動の実態調査を実施した。保健婦(士)の行う地域づくり活動は、(1)住民との協働活動(2)住民の身近な場で行う活動(3)健康増進への支援活動(4)共通の健康問題をもつ人同士の交流支援活動(5)在宅ケア・育児等支援体制づくり活動の5つであった。これらは、活動の目標という点からみると、住民個々の問題解決能力の向上、生活共同体の営みの中で生活を豊かにする取り組みの促進、サービス資源の整備・拡充という側面をもって地域づくりに貢献している特徴があった。 2. 地域保健推進員活動事業を担当する保健婦(士)の認識の実態調査 千葉県内3市町の地域保健推進員活動事業担当保健婦(士)に協力を得て、本事業展開過程における地域づくりに関する保健婦(士)の認識を捉え、ここで果たしている保健婦(士)の役割を検討した。保健婦(士)は、行政サービスの枠組みで行う地域保健活動としてのあり方を重視しながら、看護固有の援助のあり方を重視して、推進員を育成し協働活動を行うという役割を発揮していることが確認できた。 以上の結果を基に、岐阜県内市町村保健婦(士)に調査を実施した。今後、検討を行う予定である。
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