現在、わが国では社会状況の変化に伴い母親の育児に対する意識が変容し、医療機関でも母親への支援の在り方が問われている。そこで研究者は、これまでに第1次医療機関に来院した母親を対象に、母親が持つ子どもの病気に対する保健意識と対処行動に関する研究を行い、母親の子どもの病状に対する認識と行動に影響する因子と母親の行動特性としての3つの認識パターンを抽出し、看護介入について検討してきた。 本研究は、その知見を踏まえ、さらに第2次・第3次医療機関を受診した母親を対象に調査を実施し、わが国の独特な医療事情の(第1次・第2次・第3次医療機関と分類される)状況下における看護介入について系統的な検討を加えることを目的とした。 今年度は、研究計画書に基づき、第2次医療機関においてフィールド調査を開始した。各々の母親の持つ特性を1事例ごと厳密に分析するため、データ収集と分析を繰り返しながら調査を進めてきており、現在もフィールド調査を継続して実施しているところである。 現段階での見解は、調査対象を拡大しつつも、母親の子どもの病状に対する認識の仕方は、すでに得られている知見と類似した結果が得られていることから、現代の母親の行動特性は、ある一定のパターンとして類型化できるのではないかと考えている。引き続き調査を継続し対象事例数を増やして飽和化を図りつつ、今年度の結果を総括して、第2次医療機関の特徴を踏まえた看護介入について検討を加えるところである。 次年度は、研究計画書に基づき、第3次医療機関において調査を実施する予定である。
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