研究の1年次として、以下の(1)(2)(3)についての検討を行った。 (1) 目的:栄養状態の把握が、無理なく実施できる測定項目を検討する。方法:文献から体重・体脂肪率などの身体計測の項目を検討し、患者会に出席した慢性呼吸障害者13人に対して検討した項目の測定を行った。結果:対象者13人のうち、5人の体重が%IBW<80の中等度低下があった。検討した測定項目について、対象者から疲労、苦痛などの訴えはなかった。今後は、検討した測定項目で、調査を続ける。 (2) 目的:呼吸困難や体重低下がある患者に対し、簡便に食事摂取量を把握する方法を考える。方法:健康保健センターで栄養指導に使われている問診表を参考に、%IBW<80であった在宅療養中の患者2人に対して面接調査を行った。結果:面接時間は30〜60分/1人、摂取カロリーは2人の患者とも同年代のエネルギー所要量に比較し少なかった。今後:時間の短縮とより正確に摂取量把握のために、食品サンプルや写真を利用し、対象者を増やし面接調査をする。 (3) 目的:食事指導に患者の食事に対する考えを反映させるための方法を検討する。方法:食事に対する考え方を在宅療養中の患者2人から聞き、調査(2)から得た食生活の改善点を患者に説明し、実施飲み込みを聞いた。結果:1人の患者は以前に食事指導を受けており、献立について自ら工夫していた。また、「元気でいたい」と述べ、測定結果・食事摂取量の調査結果から改善点について説明したところ、具体的な調理法などの提示を求め、実施のめどについて語った。しかし、もう1人の患者は、「十分生きた」と語り、改善点について説明をしても、必要ない、家族に迷惑にならないようにしたいと話し、食生活の改善に取り組む姿勢はみられなかった。今後:患者が食生活の改善に取り組む意欲をもてるようになるための看護介入についての検討をする。
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