研究概要 |
かぜ症候群への対処法や予防策に関する経験的な知見について,医療の現場で小学児童の感染症の治療を行っている小児科医と感染症に関する専門的知識を有する内科医等からのアドバイスを得ながら,その妥当性と科学的根拠を検討し,ウィルスとの接触を避けること,ウィルスの活動性を減じる対策,環境への配慮,自己管理の大きく4項目からなるかぜ予防ガイドラインを作成した. このガイドラインをパンフレットとしてまとめ.調査対象の担任教諭および保穫者に配布し,ガイドラインの内容および使い方について教育した.また調査の実施方法について学校の担任教諭との協議を行なった. このような打ち合わせをもとに,茨城県水海道市の小学生5〜6年生約800名を対象として,1年を通してかぜ症候群への罹患率が高いと考えられる冬季(2月)に上気道感染症時に観察される症状の有無について調査を行なった.調査は,学校担任教諭の指導下において,生徒自身が調査用紙に記入した.対象を2グループにわけ,1グループは作成したかぜ予防ガイドラインを対象に配布,教育し,ガイドライン中の対策の実施をチェックさせた.コントロールグループでは,ガイドラインの配布は行なわず,かぜ予防に関する啓蒙活動も日常行なっている程度のものとした.来年度は,この調査結果を整理・集計し,両グループにおける上気道感染症の罹患率を比較する.
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