小学校における保健授業の教授・学習過程評価票を開発するために、まずよい保健授業に影響を及ぼす要因を検討したところ、児童は保健授業を「認識および知識・理解」、「興味・関心・意欲」、「自己学習・自主的学習」、「協力的学習」という4つの観点で評価していることが確認された。この中で、よい保健授業にもっとも強く影響を及ぼしたのが「認識および知識・理解」、2番目が「興味・関心・意欲」、3番目が「自己学習・自主的学習」であった。「協力的学習」の観点については、今回の調査では、よい授業に影響を及ぼしておらず、今後検討すべき課題であることが確認された。そして、以上を基に、1)今日の勉強はたいせつなことがらだと思いましたか、2)今日の勉強でこれからの生活に役にたつことがあると思いましたか、3)「アッ、ワカッタ」とか「アア、ソウカ」と思ったことがありましたか、4)新しい発見やおどろきがありましたか、5)夢中になって勉強することができましたか、6)今日の勉強は、楽しかったですか、7)「もっと知りたい、もっと調べたい」と思うことがありましたか、8)もっと続けて勉強したいと思いましたか、9)自分からすすんで勉強することができましたか、10)授業中、わからないことや、疑問に思うことがあるときは、自分で調べたり、質問したりしましたか、11)自分の意見をもつことができましたか、12)「〜を知りたい」、「〜をはっきりさせたい」と思いながら勉強することができましたか、という12項目、もしくはそれらに1)友だちと助けあって学習できましたか、2)友だちの意見を聞いて、いっしょに考えることができましたか、3)友だちから教えてもらったり、助けてもらったりしましたか、4)友だちと力をあわせてなかよく勉強することができましたか、という4項目を加えた16項目からなる保健授業の教授・学習過程評価票が仮説的に作成された。
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