研究概要 |
こどもの高次神経活動(大脳活動)の型の研究は、1969年と1979年に日本で調査実験が行なわれた。その結果、日本の1979年は、子どもの幼稚化傾向が浮き彫りになった。この結果を受け、1984年中国において、こどもの大脳活動の調査実験が行われた結果、日本の1969年の結果と類似していた。追跡調査として、生活環境におけるアンケート調査結果から、1979年の子どもの大脳活動の変化は、子どもの動的な遊びから静的な遊びへの移行といった遊びの質的変化が、関与していることが明らかにされてきた。また今回の1998年、日本の子どもの大脳活動の調査結果は、日本の1979年の結果と類似するものであった。これより、子どもに関する問題は、1979年から中学の校内暴力に始まり、いじめ、学校の荒れ,学級崩壊と子どもの問題の表現法方は異なるものの、子どもに関する状況は全く変わっていないことが予想された。 そこで、今回中国で1984年に行った調査実験を再び15年後の調査として、1999年4月28日から5月8日に行なう予定となった。この結果から、日本の子どもにおいて現在問題となっている原因が明らかにされ、21世紀の日本と中国の子どもを考ていく上で重要な指針となることを願っている。 また、我々の大脳活動の実験が、大脳生理学で行われるサルなどの動物実験でgo/no-go実験として行われていることいが分かり現在、岡崎生理学研究所所長の佐々木和夫先生たちと共同研究が行われるという画期的なプロジェクトも1998年8月に組まれ、現在進行中である。この実験は、主に脳の前頭葉が活動し「おこなってはいけない」というno-go電位が脳磁計によって、前頭葉の46野に出現することが、サルと人間の大人で確認されいる。子どもでと大脳活動実験でのno-go電位の確認を目的として現在研究が進められている。
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