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1999 年度 実績報告書

ヒト手首関節のインピーダンス制御に果たす脊髄神経機構の役割

研究課題

研究課題/領域番号 10780023
研究機関広島大学

研究代表者

加藤 荘志  広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (00284232)

キーワード手首関節 / ヒト / 運動制御 / インピーダンス / スティフネス / 粘性 / 脊髄神経機構 / 伸張反射
研究概要

平成11年度は、1.虚血性神経ブロックが関節インピーダンスに与える影響、2.骨格筋へ与えた振動刺激が関節インピーダンスに与える影響、の2点について検討した。
1.ヒトの上腕部を虚血することにより、前腕筋群を支配している神経群の活動を一時的にブロックすることができる。この手法(虚血性神経ブロック)を用いて、筋紡錘由来のIa群感覚神経の伝導を一時的に阻止した際、関節インピーダンスにどのような変化が現れるのかを検討した。一連の実験から、以下の結果が得られた。(1)虚血性神経ブロックによる慣性モーメントの変化は観察されなかった。(2)関節まわりのスティフネス及び粘性は、虚血中の方が虚血前よりも低下した。虚血解放後には、虚血前の値に戻った。以上から、伸張反射が関節まわりのスティフネスと粘性に影響を及ぼすことが確認された。
2.骨格筋へ機械的振動を与えることにより、持続的な筋活動が生じる。これは、末梢の感覚器官(主として筋紡錘やゴルジ腱器官)からの感覚性インパルスが上行し、反射回路が附活された結果と解釈できる。そこでこの現象を利用して、骨格管へ与えた振動刺激が関節インピーダンスにどのような影響を与えるのかを検討した。刺激装置の振動部分を、前腕屈筋群ならびに伸筋群の皮膚上に固定し、一定周波数で持続的に振動刺激を与え、その期間中に関節インピーダンスの推定を行った。一連の実験から以下の結果が得られた。(1)片方の筋群のみに振動刺激を与えた場合、刺激周波数が高まるにつれて、関節まわりの粘性およびスティフネスは増大した。(2)屈・伸筋群両方へ振動刺激を与えた場合、低い周波数では粘性およびスティフネスは共に増大した。しかし、高い周波数の振動刺激を屈・伸筋群へ同時に与えると、粘性およびスティフネスは低下する現象が観察された。以上から、関節まわりのスティフネスと粘性に対して、伸張反射が影響を及ぼしうることが確認できた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 加藤 荘志、辻 敏夫: "脊髄反射回路の工学モデル"バイオメカニズム学会誌. 23. 151-156 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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