本研究では大学サッカーチームを対象にコンピューター分析システムを活用してコーチにへの分析データのフィードバック及びコーチがそのデータをどのように活用したかについて検討していく中で以下のような問題点を明確にすることが出来た。 現在の映像技術、パソコンの発展によって、様々な情報をゲームの中から抽出し、多様にデータを加工することは可能である。しかし、それをチームのゲームパフォーマンス改善にどのように活用していくかについては依然多くの問題を抱えている。 (1)「コストパフォーマンス」: ビデオやコンピューターの利用にはコストが掛かる。ビデオの撮影、データの入力作業の効率は良くなってきているが、この労力に見合うデータをコーチに提示できるのか。 (2)「統計的データの活用」: データを蓄積していくことによって統計的な分析が可能になる。しかし、その情報をコーチや選手にどのように活用できるかについての分析者の理論が確立されていない。 (3)「コーチと分析者の連携」: コーチはゲームに中から様々な情報を収集している。その援助となるデータを収集するためにはコーチと分析者の連携が最も重要であり、この間のコミュニケーションが不足するとゲーム分析データは全く意味を持たない。 以上のような問題について今後さらに検討を続ける必要がある。
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