研究概要 |
平成10年度は,調査対象都市である群馬県前橋市において,前橋市役所や群馬県庁(両者とも主に都市計画担当部局と企画調整担当部局,資産税関係部局),前橋市立図書館,群馬県立図書館,群馬大学附属図書館などにおいて,現在と過去の双方に渡る土地利用や土地所有に関わるデータ,並びにそれらに関連する郷土資料なども収集した.さらに,前橋市中心部に設定した事例地区において土地利用調査を実施した.また,研究対象期間(1980年〜1998年)内に土地利用が大きく変貌した地点を取り上げ,当事者に対して彼らの意思決定の過程に関する予備的な聞き取り調査も合わせて行なった。 一方,本研究において重要な概念の一つである「土地利用の転換研究(land conversion studies)」に関し,申請者の所属する北海道大学では収集が困難なものについて,地理学関連の学術雑誌が豊富に所蔵されている筑波大学附属図書館において文献資料を収集した. 上述のように,研究の初年度に当たる平成10年度は,統計資料や文献資料などの収集に並行して,土地利用調査などの基礎的なデータ収集に主に従事した。次年度では,初年度に予備的な調査に留まった現地調査をさらに深めて実施する予定である.場合によっては,他の研究者からレビューを受けることなども視野に入れながら,土地利用変化のメカニズムに関して,行動科学的視点を導入した新たな知見を得るべく,研究を進める予定である.
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