研究概要 |
今年度は、昨年度に引き続き成人女子体幹形状の実験データを用い、形状に絞った検討を行った。すなわち、前後二方向のデータを適切な角度で突き合わせて体幹の右半身を表現することと、そのデータを反転させることで左半身を想定して左右をつき合わせることを中心に検討を行った。また、当初の予定では更に進んだ解析までを行う予定であったが、検討の途中で以下のような問題点が明らかになり、更に詳しい検討を余儀なくされた。つまり、前後の突き合わせについては、呼吸の相の影響や、実験時の姿勢である静立位での体軸と重心の影響が大きい。また、体軸のズレが大きい場合は、補助的に計測したマルチン式計測器による体表面マーク間のデータにより修正が必要であるが、体軸のズレが些少な個体については、ほとんど手直しせずに前後二方向のデータを突き合わせることが可能であることがわかった。また、体幹全体の形状を類型化し、それを衣服裁断用ダミー設計に応用した結果については、引き続き検討中である。 また,それと平行して若年女子・生体46例について体幹部の立体形状の三次元形状計測を行った。当初の予定より被検者を得ることが難しく、平成10年度のものと合わせて76名にとどまった(予定は100人)。今年度、実験手法に関して得られた知見として、画像の簡便な処理方法が挙げられる。つまり、従来は実験環境の明るさの条件に依存した二値化しか行なえなかったが、この工程を踏むことによって、従来の画像処理に費やす時間が半減し、より効率の良い解析が実現した。
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